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2025.01.06

輸入ペットフード関税、2025年から5%引き上げへ――中国ペットフード市場に変化の波

中国国務院関税税則委員会は最近、「2025年関税調整案」(税委会公告2024年第12号)を発表しました。2025年1月1日より、一部商品の輸入関税率および税目が調整されます。特にペットフード関連の税目が注目されています。具体的には、小売用パッケージの犬猫用缶詰(税目番号23091010)およびその他の犬猫用ペットフード(税目番号23091090)において、最恵国税率は15%で据え置かれる一方、暫定税率が10%に引き上げられることが明らかになりました。

今回の関税調整は、輸入ペットフード市場に大きな影響を与えると考えられます。関税の引き上げにより輸入ブランドのコストが上昇し、結果として小売価格の高騰につながる可能性があります。この状況は、国産ペットフードブランドの市場シェア拡大や高級化戦略を加速させる契機となるでしょう。

中国ペット市場の背景

近年、中国のペット市場は急速に成長を遂げています。ペットを飼う家庭の増加、都市化の進展、生活水準の向上により、ペットフード市場も右肩上がりで成長しています。中国ペット産業協会のデータによれば、2024年のペット関連市場規模は約5,000億元(約10兆円)に達し、そのうちペットフードのシェアが最も大きいと言われています。

さらに、ペットを「家族の一員」と考える意識の高まりから、高品質な製品を求める消費者が増加。輸入ペットフードはこれまで「高品質」「安全」「栄養価が高い」といったイメージで高い人気を誇ってきました。しかし、今回の関税引き上げを受け、輸入製品の価格が上昇することで、消費者行動や市場の競争環境に変化が生じると予想されます。

関税調整の影響と展望

  1. 輸入ブランドへの影響:価格競争力の低下

関税引き上げにより、輸入ペットフードの価格が上昇することが予測されます。これにより、特に海外ブランドの価格競争力が低下し、消費者が国産ブランドや代替品にシフトする可能性があります。輸入ブランドにとっては、現地生産やローカライズ戦略の強化が必要になるでしょう。

  1. 高品質志向の強化と市場の二極化

消費者の品質へのこだわりが高まり、ペットフード市場は二極化の兆しを見せています。高価格帯の製品に対する需要は依然として根強く、一方で、価格を重視する層は国産ブランドに移行しやすくなります。この傾向は、輸入ブランドのプレミアムラインと国産ブランドの競争を激化させるでしょう。

  1. 海外ブランドの本土化加速

輸入ペットフードブランドは、コスト上昇を克服するために生産の本土化やサプライチェーンの見直しが求められるでしょう。現地企業との提携や、柔軟な価格戦略を採ることで、競争力を維持する必要があります。また、製品のイノベーションや新しい市場ニーズに応えるために、積極的なマーケティング戦略の見直しが必要です。

ポリスターの視点

大中華圏におけるマーケティング支援、サプライチェーンマネジメントを提供するポリスターは、今回の関税調整がペットフード市場全体に及ぼす影響を注視しています。中国国産ブランドは、関税引き上げの追い風を活かし、製品やマーケティング戦略のさらなるアップグレードを図る好機です。「中国ブランドのストーリー」を消費者に効果的に発信し、信頼性を高めるとともに、ブランド価値を向上させる取り組みが求められます。

一方で輸入ブランドは、増加するコストに対応するため、現地企業との連携を強化し、柔軟な価格戦略やプロモーション戦略を実行することで市場競争力を維持する必要があります。

ポリスターは、これまでの経験とネットワークを活用し、日本企業が変化する市場環境の中で競争力を発揮できるよう、全面的なサポートを提供します。中国の有力なペットフードメーカーを開発し、海外ブランドのパートナーシップを結ぶ手助けをします。これにより、輸入ブランドは現地生産を加速し、関税引き上げの影響を抑えることができます。そして、中国市場において新たなチャネルを開拓し、現地消費者に受け入れられるブランド展開を支援しております。

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