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2020.07.31

中国では日常の風景 中国の電子決済事情

近年、日本に浸透しつつある実店舗でのモバイル端末による電子決済。

数年前までは大手コンビニチェーンや大型スーパーだけが使用できる決済方法だったが、最近は個人経営の実店舗でも使用できる所が増えてきて、利用者も急速に増えている。

また大手携帯電話会社や大手コンビニチェーンなど幅広い業態が電子決済事業に参入しており、独自の電子決済システムが次々と登場している。

そんな状況の中で、多くの方がどの電子決済を使ってよいか迷われているのではないだろうか。

 

一方、中国では日本より一足先にモバイル端末の電子決済が一般化している。

現在、中国のモバイル端末の電子決済はQRコードが主流だ。

スーパー等の実店舗での買い物はもちろん、公共料金や医療費の支払い、レストランや屋台での会計も、ほとんどQRコードの電子決済で行なわれている。

何故に中国ではここまで電子決済が急速に進んだのか。今回の記事では、中国の電子決済が普及した背景やキャッシュレス化が進む今後の中国事情を紹介していく。

 

 

中国で電子決済が進んだ理由

そもそも中国で電子決済が進んだ理由は何だろうか。

それは「銀聯カード」の誕生がきっかけと言われている。

「銀聯カード」とは、中国の中央銀行とされる中国人民銀行が、異なる省や銀行間での決済の一本化を目的に設立した「中国銀聯」から発行しているカード。

2002年から発行しており、電子決済の1つであるデビットカード機能付きの銀行カードだ。

 

当時の中国では低所得者の割合が高く、クレジットカードに必要とされる与信審査の通過が難しかったため、銀行口座を開設すれば入手できる「銀聯カード」が普及していった。

中国で「銀聯カード」のようなデビットカード、そして電子決済が普及した背景には、大きく二点が挙げられる。

 

①中国には高額紙幣が存在しない

実は中国では100元札(約1,500円)が最も高額な紙幣のため、大金の持ち運びが難しいと以前から懸念されていた。

そこに高額な支払いもキャッシュレスで対応できる電子決済は、多くの中国人の悩みを解決した。

 

②偽札問題

中国での偽札問題は大きな社会問題で、多くの百貨店やスーパー等では偽札をチェックする機械が設置してある。

そのため中国では現金に対する信用が低く、偽札を使用すると重い罰が課せられる場合もある。そこで多くの中国人が安全性を求めて、キャッシュレスの電子決済へと移行していった。

その後、スマートフォンが中国内で急激に普及し、それに比例するようにモバイル端末での電子決済も普及していく。

現在、スマートフォンの普及率は60%を越えており、数字にすると約8.5億人が所有している。そんな背景もモバイル端末での電子決済が一気に広まった理由の1つだ。

 

中国で有名なモバイル端末での電子決済「Alipay」「WeChat Pay」

中国で有名なモバイル端末での電子決済として挙げられるのが「Alipay」「WeChat Pay」。

「Alipay」は2004年に誕生して、「Tmall」や「Taobao」などの巨大ECモールを手掛けるアリババグループが運営している。

「WeChat Pay」は2006年に誕生して、中国版LINEと言われる「Wechat」を手掛ける大手IT企業:テンセントが運営している。

どちらも中国で開設した銀行口座と紐づけることで使用ができる。

この二つのアプリが中国全体のモバイル端末での電子決済の約90%を占めていると言われている。

そして「Alipay」「WeChat Pay」ともにQRコードでの電子決済システムを導入しているため、中国のモバイル端末の電子決済はQRコードが主流になっていった。ただ「Alipay」「WeChat Pay」が浸透し始めたのは、2014年から2015年のこと。

それまでは「Alipay」であれば「Tmall」や「Taobao」等のECモール内で使用できるオンライン決済のみだったが、2013年に中国国内での電子決済の規制が緩和され、「Alipay」「WeChat Pay」もオフラインの決済が可能になった。

すると実店舗でも、EC同様の決済が出来るようになり、操作が簡単で利便性が高いため一気に普及した。

また実店舗側も、専用リーダーやタブレットを用意せずとも、QRコードを提示しておくことで、お客様がQRコードを読み取れば決済が可能なのと、決済手数料も0%からという導入しやすい形態なのも、モバイル端末の電子決済を促進させた理由だ。

中国支付清算協会の2019年の報告書によると、電子決済を利用したことがある人のうち80%以上が「毎日使用している」と答えている。

 

中国の電子決済のこれから

このモバイル端末の電子決済について、少し余談をお伝えする。

なんとお年玉の受け渡しも、モバイル端末の電子決済が利用されるようになってきているという。中国内すべてでそのようになっている訳では無いが、伝統の習慣も徐々に変わりつつあるのだ。

他にも資産運用に利用できるシステムもあり、電子決済の可能性は日々広がっている。また現在の中国のキャッシュレス決済比率は約70%。世界では二番目にキャッシュレス化が進んでいる。ちなみに一番は韓国で約95%。

中国のキャッシュレス決済比率は、比率が低い農村部の方や年配の方に普及すれば、もっと高くなるだろう。

最新情報では、今回のコロナウィルスの影響で農村部の方や年配の方もECモールの利用や実店舗でのモバイル端末の電子決済を利用するようになり、中国全体のキャッシュレス決済比率がだいぶ上がったようだ。

 

ポリスターとしての取り組み

ポリスターでは、常日頃から前述のような日常生活に関することも含め、様々なことを調査して、情報を得ている。

もちろん中国の情報だけでなく、世界中の情報に対しても同様だ。

日本以上に中国市場は日々変わっている。そして中国の商習慣も日々変わっている。それを常に把握するには、中国市場の情報だけでなく、中国人の生活習慣の変化や世界で中国はどのように見られているかなどの客観的な情報が大事になってくるのだ。

それらを活かして、ポリスターは日本のメーカー様が中国市場で成功するための最適な方法を提供し支援をしていく。

 

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