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2021.12.29

中国のSNSマーケティング | 4つのハイブランドからみる宣伝手法とは?

 

中国のSNSとして有名な”小紅書(RED)”は膨大なユーザー数を持っており、特にハイブランド達にとってのマーケティングチャネルとしての重要性が増しているようです。本記事では、REDでアカウントを開設している4つのハイブランドから、REDにおけるマーケティング手法をご紹介します。

 

REDとは?

・中国最大級の口コミアプリケーション「小紅書(RED)」

小紅書(RED)とは、2021年のダウンロード数が3億人を超えた中国最大級の口コミアプリケーションです。REDは主に画像や動画などの視覚情報がメインのアプリで、日本で多く利用されている”instagram”に類似しています。ユーザーの8割が女性で、内20代のユーザーが7割、都市部在住の可処分所得が高いユーザーが多く存在しており、ハイブランドにも興味を持っている傾向があります。

 

・REDでよくみられるマーケティング手法

REDにおけるマーケティング手法は、口コミ・レビューとB2K2C(Business to KOL(※1)/KOC(※2) to Consumer)モデルが主流です。B2K2Cモデルとは、KOCおよびKOLのレビューを通じて、ブランド情報をユーザーへ発信する手法です。

※1…KOL:Key Opinion Leaderの略。なんらかの専門性を持ち、消費者達の購入意志決定に強く影響を与える人物を指す。

※2…KOC:Key Opinion Consumerの略。KOLと比べて専門性は高くないが、より一般消費者に近い存在でユーザーから厚い信頼を寄せられている。

 

・REDでは新しいガバナンスが開始された

昨今REDは新しいガバナンスを開始しました。露得清・半亩花田・WonderLabなどの虚偽のマーケティングの疑いがある29のブランドのアカウントが凍結、商業協力が全て停止されました。RED公式からは理由として「多数のサクラ投稿を発信する事は、REDが提唱する”実体験に基づいた宣伝活動”に反している」と発表されており、ブランドのマーケティングに対してREDが初めてガバナンスを実施した実例となりました。

 

 

ハイブランドのマーケティング手法の分析

これまで、Louis Vuitton、DIOR、Gucci、Lanvin、Burberry、Celine、Tiffany、BVLGARIなど中国の若者が興味・関心を持っている多くの高級ブランドがREDで公式アカウントを開設しています。本項では、PRADA・Louis Vuitton・LANVIN・Tiffanyの4つのブランドを取り上げ、それぞれが行うマーケティング手法についてご紹介します。

 

 

・PRADA:Redのユーザーに合わせたコンテンツを発信する

プラダの初投稿となったコンテンツは「年鑑紹介」でした。これはプラダが運営する他のプラットフォームアカウントには見られないコンテンツで、REDに合わせて作られたものでした。多くのブランド達が複数のプラットフォームで同じコンテンツを使用するのに対して、独自性を打ち出しました。

この投稿で注目したい点は、RED上で人気があるコンテンツの特徴を生かした発信です。プラダはREDユーザーが文章をよく読む傾向に合わせ、絵文字を使用しながら、長文のテキストを取り入れた発信を試みました。

 

こちらのコンテンツは、”蔡徐坤”による「ブラインドボックスでコーデチャレンジ」というコンテンツです。このコンテンツには大きな反響があり、34,000以上の”いいね”の獲得、10,000を超えたインタラクションが集まりました。この施策は、REDでよくみられるマーケティング手法であるB2K2Cと、トレンドであったブラインドボックスという体験を上手く掛け合わせたものと言えます。

 

 

Louis Vuitton:積極的に新しい事に挑む

ルイ・ヴィトンは、2019年にREDがブランド公式アカウント機能をリリースした当初からプラットフォームへ参入しました。コロナ禍にある中国の若者の購買意欲を高めつつ新商品の露出を増やすため、ユーザーとのコミュニケーションを目的にハイブランド初のRED上でのライブデビューを果たしました。

このライブでは、ファッションブロガーの”程晓玥”とルイ・ヴィトンとして”钟楚曦”の2名が登場し、新商品の説明を行いました。商品の価格などを直接的に伝えることは無く、視聴者からのQ&Aコーナーを設けて、ライブのインタラクティブ性を重視した配信となっていました。

 

このライブにおける累計視聴者数はわずか1万5,000人、ライブ中継の粗悪な照明や画質などについて多くのユーザーから指摘があるなど、良い結果は残せませんでしたが、ルイ・ヴィトンのREDでの試みは大きな意義がありました。この挑戦は業界内で、「小売の販売モデルが急速にデジタルへ移行する中で、ハイブランドはどの様にマーケティングしていくか」という議論を巻き起こし、これを皮切りに親会社であるLVHMの傘下で、ますます多くの高級ブランドがREDに参入し始めました。

 

 

LANVIN:ブランドイメージに適したライブモデルを模索する

ルイ・ヴィトンのライブに続いてランバンもライブを行いました。REDのインフルエンサーを招待し「ランバン130年」のアートショーと、「母と娘」をテーマにランバンがデザインした新商品を発信しました。このライブは3時間に渡り、美術館のチケット、ランバンのアフタヌーンティー、ランバン130周年記念限定アルバムを始めとしたグッズを利用し、ファンとコミュニケーションしながらライブを盛り上げました。

その他にもランバンは楽隊を招き、「左岸のシャンソン」風の音楽をアフタヌーンティーの時間に合わせ配信するなど、ブランドイメージやこだわりを表現しました。このライブは、他のハイブランドがブランド特性に適したマーケティングモデルを模索する上で、一歩前進したものとなっています。

 

 

Tiffany:ポップアップストアが宣伝と購入を訴求する

2020年5月にティファニーは、520セール(※1)に合わせてRedで「520ポップアップストア」をオープンし、オンライン販売限定のキーネックレスを発売しました。

※1…520セール:520(我愛你)の日と呼ばれる5月20日に行われるセールイベント、響きが「愛してる」に似ていることから中国のバレンタインデーと称される。

 

ティファニーはREDでの宣伝と購入モデルを完成させた最初の高級ブランドです。ポップアップストアの開設後ティファニーは、コミュニティでの宣伝や発信、インフルエンサーのライブで販売促進を行うなど、現在主流の宣伝サイクルを生み出しました。ティファニーとしても自社店舗だけでなく、第三者のプラットフォームに公式購入チャネルを開設する初の試みとなりました。

 

ティファニーのポップアップストアは、ライブ後や投稿したコンテンツから購入できる様になっており、そこがルイ・ヴィトンやティファニーとは異なる点でした。購入後にコミュニティで体験をシェアするユーザーも多く、その口コミが他のユーザーへの宣伝となっていきました。

 

 

以上、REDにおける4つのハイブランドのマーケティング手法についてご紹介しました。次項では、これらの事例からREDを活用したマーケティングが持つ強みと注意点を分析し、紹介していきます。

 

 

REDを活用したマーケティングの特徴

・REDのプラットフォームが持つ強み

REDの口コミECとしての最大の特徴は、”ユーザーの口コミ(シェア)を通じ二次的なコミュニケーションを引き起こし、他のユーザーへ影響を与え、実際に購入され、更に口コミが生まれる事が蓄積される事でブランド価値が高まっていく”点です。またこの特徴は、長期的に継続されるサイクルを形成しており、効率的なモデルとなっています。

 

・REDマーケティングで気を付けるべき3つのポイント

1.コンテンツとビジネスのバランス

REDマーケティングにおけるコンテンツは、質の高い”価値のあるもの”であることが第一条件です。コンテンツが商業的かどうかは重要ではなく、ユーザーにとって有益な情報発信を行う事が必要です。

REDのガバナンス基準によると、ブランドはコンテンツ制作において「過剰な美化」「事実を誇張」「不実の内容」を避けるべきとされています。 プラットフォームのガイドラインに沿いながら、消費者の注目を引く魅力的な発信と商業的な発信のバランスを見極める事が必須です。

 

2.KOCを上手く利用する

KOCマーケティングは、リアルな体験に基づいた発信をしてもらう事で、ユーザーに商品価値を理解してもらう事が可能です。また、KOCは口コミに近いマーケティング手法の為、ブランド側でイメージに合った戦略を作る必要が無く、KOLよりもブランドイメージを維持しやすい部分にも特徴があります。上述のようにREDは巨大なKOCのサイクルを持っているため、KOCを上手く利用する事が成功のカギと言っても良いでしょう。

 

3.差別化を意識する

現在オンラインチャネルは競争が激化しており、消費者のニーズに応えるためさまざまなブランドを導入しプラットフォームに新鮮なコンテンツを集めようとしています。それに伴いブランド同士の争いも激化することが予想できます。様々なコンテンツに埋もれない様、他ブランドとの差別化を意識しながらマーケティング戦略を立てる事が必要です。

 

今後ハイブランド達のREDマーケティングはどうなっていくのか

ソーシャルメディアが普及した昨今では、デジタルマーケティングは欠かせない戦略のひとつです。しかし、ソーシャルメディアとハイブランドの「高級感・希少」という属性が上手く合致していない事は否めません。REDのメインユーザーは90年後と95年後であり、彼らは新しい事に挑戦する事を好む傾向にあります。若者に訴求するためにブランド達はコンバーションを得る為のマーケティング手法をまだまだ模索しなければなりません。

 

備考:情報出典は「时趣洞察引擎」、画像出典は「RED」より。

 

 

まとめ

本記事ではREDでマーケティングを行うハイブランドから4ブランドを挙げ、それぞれのマーケティング手法を取り上げ分析しました。近年日本でも、中国を舞台としたマーケティングにおいてREDを始めとしたデジタルマーケティングが注目されています。ECが台頭した中国市場で販促する手段として紹介される事が多いですが、近年多くのブランドが参入した事で、プロモーション合戦が激化しています。その中で利益を上げるには、この変化の速い中国に合わせ、マーケティング手法をアップデートしていかなければなりません。短期的に売り上げを作り上げるのではなく、ブランド価値を中国市場に根付かせる事こそ、成功への近道です。

 

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