NEWS

ホームポリスターニュース「飲食消費」のアップグレード │ 中国最新レポート

2023.02.28

「飲食消費」のアップグレード │ 中国最新レポート

 

近年では、所得水準の上昇やコロナウィルスの影響などにより、”飲食に関する消費”に変化が訪れています。本記事では、「中国の飲食に関する消費と意識の変化」について取り上げご紹介します。現在の中国消費者が「飲食」に対しどのような価値観を持っているのか、ユーザー層ごとの分析も交えながらご紹介していきます。

 

参考文献:CBNData

 

 

飲食への関心や意識が高まっている

中国では、所得水準の上昇に伴い、食品・飲料に対する個人消費の額が増加しています。また、額が増加するとともに食への意識も高まっており、現在、中国消費者が日々の生活で関心を持っていることの中で、「食べる事」は、美容やスマホ(WebやSNS等)を抑え一位となっています。消費額と意識が高まる中、消費者が飲食を購入する際にまず考慮する要素は、「栄養価、口当たりや食感、製品の品質」です。

 

 

・健康意識の高まりと食

食への意識変化の背景には、コロナウィルスによる影響もあります。長引くコロナ禍の中で、消費者は次第に食へ気を配るようになりました。栄養価の高い製品や、より健康的で環境にも優しい製品が選ばれるようになり、「健康・栄養・品質」の3つが新たなニーズとして現れました。現在、無添加製品や、ヘルシーな低脂肪製品が人気を集めています。

 

3つのニーズの中でも特に、購入する際の意思決定に強くかかわっている要素は「栄養価」です。データによると、消費者の7割以上が栄養価に関心を持っています。食品カテゴリー別分析では、従来の主食である麺類よりも、栄養価の面から「新鮮な野菜」や「季節の果物」が好まれるようになっています。また、乳製品を使用したベーカリー※も、同様の理由から新たな選択肢となっています。

 

※ベーカリー…パンやケーキなど。穀類を焼いたもの。ここでは西洋風のものを指す。

 

 

消費者属性でみる「食」への意識変化

パパ・ママ層は、品質と栄養価が高い製品に対し”期待”している

無添加・天然素材といった要素は、品質を気にする消費者にとって重要なキーワードとなっています。特に子を持つ「パパ・ママ」層は、品質や栄養価の高い製品へ強い期待を寄せており、食材選びの際”オーガニックかどうか、食材の鮮度や産地”などを気にする傾向があります。

 

▶中国の子育て層に関するレポートを公開中です

「中国のベビー・マタニティ関連ビジネスの将来性」をクリックして読む

 

また、新しい世代のママたちは、DHAやプロバイオティクスといった栄養素を特に好んでいます。消費者が飲食物を購入する際に重視する成分は、たんぱく質、食物繊維、ビタミンの3つの栄養素ですが、新世代のママ層は、必要な栄養成分への理解が深く、特にDHAやプロバイオティクスなど、赤ちゃんの成長に役立つとされる成分を好みます。

 

※DHA…正式名称を「ドコサヘキサエン酸」。体内で合成できない不飽和脂肪酸のひとつ。体内の免疫反応の調整、脂肪燃焼の促進、血管壁の収縮、血小板の凝集にかかわる等の様々な働きがあり、アレルギーの予防改善など、効果が期待できる。

 

※プロバイオティクス…英国の微生物学者Fullerによる1989年の定義によると「腸内フローラのバランスを改善することにより人に有益な作用をもたらす生きた微生物」。腸内環境の改善や保護などの効果があると考えられている。

 

 

ライフスタイルからみる飲食消費傾向の変化

近年、食事に癒しを見出す消費者が増加しています。年代別にまとめると以下のような傾向がみられます。

・2000年代生まれ:アルコールを好み、習慣的に飲酒する。

・1995年代生まれ:一日の始まりにコーヒーを飲む習慣が浸透している。

・1985年代、1990年代生まれ:デザートを手作りし、生活の中に彩りを取り入れる、面白さを見出す。

 

 

◆アルコール

現在若者の間では、ビールを嗜むライフスタイルがトレンドとなっています。2021年と比較し、京東プラットフォーム内におけるアルコール類の年間GMV※は50%近く伸びています。年代によって好むアルコールの種類が異なり、以下のような傾向があります。

 

・1995年代生まれ:カクテルやクラフトビール

・1985年代生まれ:焼酎やワイン

・1980年代生まれ:国産酒

 

※GMV…流通取引総額

 

▶中国の若者のビールブームに関する情報をもっと詳しく知りたい方へ

最新レポート「中国アルコール業界レポート」をクリックして読む

 

 

◆コーヒー

コーヒーの小売市場は、2021年と比較しGMV成長率が200%以上と急成長しています。1日1杯のコーヒーは、仕事中に飲むものから、消費者の日常的な習慣へと徐々に変化しました。調査によると、消費者の80%以上が1年以上コーヒーを飲み続けており、その大半が95、90、85年代生まれの労働者となっています。コーヒーカテゴリーにおける人気商品は、中国のインスタントコーヒーブランド「永璞咖啡(YongPu Coffee)」を代表するリキッドコーヒーとドリップコーヒーに分かれています。芳醇な味わいと手軽さが人気です。

 

 

◆デザートベーカリー

ケーキなどデザート類のベーカリーが新たな人気商品となっています。見た目が良く、高品質なものがよく選ばれており、癒し効果や、ちょっとした非日常間が得られると評価されています。

 

 

軽食と健康

前述でも取り上げた通り、消費者の健康志向は高まっており、消費シーンも多様化する中、「健康的な軽食」産業が急成長しています。京東(ジンドン)を始めとする生鮮食品を扱うECプラットフォームは、軽食や健康食品のワンストップサービスチャネルを立ち上げ、ヨーグルトや低カロリー食等の健康食品の提供を開始しました。主にスポーツマンへのニーズに応え続けています。

 

体型管理や維持への関心が高い層は、健康的な食事への意識がさらに向上し、軽食を購入する際も「食品のタンパク質含有量、カロリーと鮮度」などに考慮します。中国の鶏肉ブランド「优形(U-Shape)」は、こういったユーザーに向け、低脂肪、高タンパクな製品を提供するために、製品の開発・改良を行い続けています。消費者の変化とともに、メーカーやブランドも変化し続けているのです。

 

 

まとめ

中国消費者は、食事に対し、健康さや生活の質を高める事等を求めるようになりました。それに伴い、様々な飲食へのニーズが生まれています。中でも品質を求める消費者にとって「無添加・自然食」や「低カロリー・低脂肪」は、飲み物・食べ物を購入する際重要なキーワードとなっている様です。中国市場で飲食物のマーケティングを行う際は、消費者の気持ちを掴むための抑えるべきポイントとなってくるでしょう。

 

株式会社ポリスターでは、中国進出のための各種手続きや市場調査をはじめ、本格展開のためのコンサルティングサポートを行っております。中国消費者の文化や習慣に合わせた施策の実行やアドバイスで支援させていただきますので、中国市場での展開をお考えの企業様は是非一度ご相談ください。

 

また、中国での展開を行う際に注意したいのは、商習慣の違いによるトラブルです。ポリスターには、日中間ビジネスに長けたスタッフが多数在籍しております。長年の日中ビジネスで培った経験を基に、リスク管理アドバイスを行います。「中国市場に魅力を感じているが、不安がある…」「代理店と上手く連携できていない…」等のお悩みはございませんか?HP右上の「無料相談」問い合わせフォームよりご相談が可能です。お気軽にご連絡ください。

 

 

PAGE TOP