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2021.08.03

中国化粧品市場、芸能人マーケティング最新レポート(前編)

 

中国市場では、KOLによるライブコマース等、芸能人を活用する宣伝手法が効果的な施策として盛んに行われています。中でも化粧品業界は、芸能人によるプロモーション効果が強く現れる業界です。本報告書では、”芸能人の広告起用マーケティング”について深く掘り下げ、3部に渡り、影響力・人気の芸能人・宣伝手法など、細かに分析・紹介して行きます。

 

第1部となる本記事では、芸能人起用がもたらす市場への影響や販促手法、芸能人起用の需要についてお伝えします。

中国進出をする企業様へ、中国におけるマーケティング戦略のご参考になれば幸いです。

 

次回第2部・第3部の記事は下記リンクよりご覧いただけます。

第2部 : https://www.polystar.yokohama/china/20210810/

第3部 : https://www.polystar.yokohama/china/20210819/

全編通して読むことで、中国化粧品業界における芸能人起用の効果やプロモーションとしての重要性、中国消費者の価値観が読み取れる内容となっております。是非ご一読下さい。

 

※化粧品市場:本調査における化粧品市場とは、スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、ヘアケア化粧品、フレグランス化粧品、男性用化粧品等を対象としている。国際ブランド、輸入品を含む。

※芸能人の広告起用マーケティング:本文では、「芸能人起用」と略称する。

 

 

化粧品市場における”芸能人起用が経済に与える影響”

化粧品市場規模の拡大に伴う広告費用の上昇

中国の化粧品市場規模は安定した成長を続けています。拡大を続ける化粧品市場では、広告費への資金投入額も増え続けており、2021年第1四半期には、化粧品業界のオンライン市場における広告費用投入額が大幅な増加を見せました。今後も広告費用額の増加が見込まれています。

 

 

化粧品カテゴリーは特に芸能人の販促効果が高く現れる

芸能人が宣伝する化粧品に対して、消費者は高い購買意欲と購買行動を示しています。2020年のTmallのデータによると、芸能人の宣伝商品を積極的に購入している消費者が最も多いのが「化粧品カテゴリーの消費者」であることが分かりました。

 

 

化粧品ブランドが重要視する2つの情報発信チャンネル

ショート動画※の配信プラットフォーム

2020年化粧品業界では、”ショート動画の配信プラットフォーム※”が、インターネット上の広告媒体として、主流な選択肢となりました。中でもTikTok「抖音」は、多くの企業が利用しており、広告出稿数・売れ筋商品の出品数が共に多い人気プラットフォームです。

 

※ショート動画:短い尺の動画

※ショート動画の配信プラットフォーム:TikTok「抖音」の他にもKuaiShou「快手」などが挙げられる

 

 

ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)

SNSも、人気ある広告媒体の一つです。特にWeibo「微信」は、化粧品への関心が高いユーザーが多く、2021年第1四半期には、化粧品関連コンテンツ※のエンゲージメント総数※が1億3,400万に達しました。エンゲージメントの3分の2以上は、鹿晗、蔡徐坤、劉亦菲ら”芸能人”が投稿したコンテンツであり、芸能人の発信するコンテンツには大きな影響力がある事が伺えます。

 

※エンゲージメント総数:リツイート回数とコメント回数、いいねの獲得数を総計したもの

※コンテンツ:記事や写真、動画を含む様々な情報コンテンツを指す

 

 

芸能人起用にまつわる需要の変動動向 

化粧品ブランドの芸能人起用案件数の変動概要

芸能人の発信する化粧品関連コンテンツは、ほぼブランドからの案件によるものです。女性芸能人のオーディション番組が世間で話題になったことで、より一層マーケティングに活用したい企業が殺到し、2020年第3四半期に女性芸能人への新規案件数が急増しました。第4四半期からは男性芸能人へのオファーも勢いを増し、芸能人起用はさらに加速していきます。

 

直近1年で、新規CMにおいて最も起用された女性芸能人は趙露思、男性芸能人は範丞丞です。

 

 

女性芸能人は人気と販促力を持つ

2020年中国では、ドラマ「三十而已」やバラエティ番組「乘风破浪的姐姐」が人気となり、主役を務める女性芸能人へ注目が集まります。様々なブランドが流行に乗ってオファーを送ったことで、多くの契約が交わされました。近年、女性芸能人による化粧品販売売上は安定して上昇傾向にあり、特に80後世代※と90後世代※の芸能人の販促力が高くデータに表れています。

 

※80後世代:1980-1989年に生まれた人の略称

※90後世代:1990-1999年に生まれた人の略称

 

 

メンズ向け化粧品の台頭

男性をターゲットとした化粧品は、化粧品市場においてポテンシャルのある領域です。スキンケアの知識や新しい価値観の普及により、3年間で化粧品を購入する男性消費者が増え続けています。95後世代※と00後世代※の新世代と呼ばれる消費者達の消費力は、年々高まっており、特に好きなアイドルに対する応援行為として、アイドルが宣伝している商品を買う行動が多く見受けられます。

 

※95後世代:1995-1999年に生まれた人の略称

※00後世代:2000年以降に生まれた人の略称

 

 

男性芸能人と女性芸能人、それぞれに適した商材カテゴリー

男性芸能人は、口紅や日焼け止め、フェイスマスクなどの日用化粧品商材への起用が多く、一方女性芸能人は、美容器具や脂肪燃焼効果グッズなど、細分化された商材への起用が多いです。世代別分析では、00後世代の芸能人は化粧品と美容器具のほか、香水の販促効果が高いです。若者芸能人達の発信によって、大衆向けからニッチな商材まで、多岐に渡る商品の流布が行われています。

 

 

地域によって異なる商材と芸能人起用方法

中国は国土が広いため、地域ごとに気候、文化、生活習慣が異なります。よって、芸能人起用にも、扱ってほしい商材に違いが反映されています。北部では、空気が乾燥しているため「保湿を重視するスキンケア化粧品」、暑い南部では「日焼け対策に関連した化粧品」の宣伝が中心です。他にも、四川省や重慶市などの中部では、芸能人が薦めるメイクアップ化粧品への消費意欲が強い傾向にあります。

 

 

まとめ

化粧品業界が拡大するにつれ、ブランド間の戦いは激化し、消費者を惹きつけるためのブランディング戦略は重要なポイントとなっています。中国市場では、芸能人の影響力は大きく、ブランディングや販促に大きく関わってきます。商品自体の価値が高くても、消費者に興味を持ってもらえなければ、市場で埋もれてしまいます。また、地域や商材に適した芸能人起用など、戦略も必要不可欠です。

 

 

第1部である本記事では、芸能人起用がもたらす市場への影響力や需要をお伝えしました。次回の第2部では、中国へ参入した海外ブランドを取り上げ、マーケットの現状と芸能人起用によるマーケティング手法についてご紹介・分析していきます。

 

次回 第2部はこちらから : https://www.polystar.yokohama/china/20210810/

 

 

ポリスターでは中国進出をする日本企業様へ、マーケティング戦略立案を始めとした市場参入の為のトータルサポートを行っております。企業の商材やブランドに適切な芸能人起用を行う施策等、企業様に合わせたオーダーメイドの戦略立案が可能です。

 

本記事が、中国でのマーケティング戦略の一助となる情報であれば幸いです。

 

 

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