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2021.05.07

2021年 中国化粧品・コスメ業界のトレンドレポート

前回の「顔面偏差値経済」に引き続き、コスメ業界に関するトレンド情報をお届けしていきます。

今回の内容では、特に近年中国国内の消費者から支持を得ている中国国産の新興ブランドに焦点を当て、その戦略を紹介していきます。既存のマーケティング手法のみならず、どのような戦略を持って差別化を行い、消費者に選ばれるブランドになっているのか必見です。

 

特にZ世代(※1990年代後半から2009年までに生まれた世代)を中心に行うオンラインマーケティングから、進出の手順は他業界の企業様にも大いに見習う面があります。前回以前のマーケティング手法の記事も合わせて見ながら、貴社の中国進出戦略の一助になる情報となっております。

 

コスメ市場は、現在最高潮を迎えている。

コスメティック、スキン・ボディ・ヘアケア市場の規模は益々成長し、中国国産ブランドが台頭してきている。

・2017~21年 コスメティック&スキン・ボディ・ヘアケア業界の市場規模の伸び状況。(左図)

・2018~20年 コスメティック&スキン・ボディ・ヘアケア商材のオンライン消費傾向。(中央図)

・2018~20年 コスメティック&スキン・ボディ・ヘアケア業界の中国国産ブランド数の伸び状況。(右図)

※「国貨品牌数」=中国国産ブランドの数。「国外品牌数」=海外ブランドの数

 

中国国産ブランドの台頭を支える力:投資界が「コスメティック圏」を愛顧し、Z世代が国産ブランドと海外ブランドを「同等視」している。

・2020年コスメティック業界での融資総額(公表されたデータを基に)は48.12億人民元に達し、2019年と比較し324%上昇しています。(左図)

・2020年オンライン市場におけるコスメティック&スキン・ボディ・ヘアケア商材消費の世代構成。(中央図)

・オンライン消費データによれば、Z世代消費者が使用する化粧品の4割が中国国産ブランドによって占められていると言われています。幼少の頃からインターネットを駆使し多元的な情報を得てきたZ世代は、ブランドを選ぶ際に自分自身の在り方(アイデンティティ)を軸にしています。70~80年以降生まれの世代は海外ブランドを追い求めていましたが、それに対し、Z世代は海外ブランドを国産ブランドと同目線で評価し、高い顔面偏差値(見た目がオシャレ)、高コストパフォーマンスのものに興味を持ちます。(右図)

 

中国国産コスメティックブランドのIPOブーム到来

・Perfect Diary:2020年11月19日にNYSE(ニューヨーク証券取引所)に上場し、初日に時価総額が122億USDを突破した。(左図)

・WINONA:「敏感肌ケア」カテゴリ初のIPO。2021年3月25日に深圳証券取引所(GEM)にて新規上場し、初日に時価総額が760億人民元を突破した。(中央図)

・PZH:2020年10月中国老舗医薬品ブランド「片仔癀」傘下のスキンケアシリーズが、上海証券取引所に新規上場した。(右図)

 

中国国産ブランドが進んできた道のり。

Version 1.0: 2012年以前のマスメディア時代(伝統ブランドの晴れ舞台)

Version 2.0: 2012~14年のインターネット時代(2代目ブランドのオンライン「車線」で急速に前進)

Version 3.0: 2016~のSNS電子商時代に突入。さらなる進化(新興ブランドの逆襲)

 

中国コスメティック業界において、新興ブランドは2020年に見事な逆転劇を演じた。

・2018~20年の間で、コスメティック業界において新興ブランドが急成長しており、その成長率は脅威の78%増となりました。(左図)

・2019年と2020年の「W11(独身の日)」のコスメティックカテゴリ(海外産+中国産)における、売上ランキングTOP15に入った中国産ブランドのラインナップ。(右図)

 

新興国産ブランドの躍進を支えるマーケティング戦略

・戦略その1:オンラインでヒットを起こす。(左図)

Z世代をターゲット層に絞り、オンラインチャンネルで強くブランディングし、消費者のマインドを掴んでいる。また、ヒットブランドの創業者の若年化が進んだことで、より若者を理解していることや、流行りのIPとのコラボレーションやおしゃれなデザインが受け入れられている。

・戦略その2:オフラインでもシェアを奪い合う。(中央図)

市場のシェアを勝ち取るために、オフラインチャンネルを駆使して攻めている。集合店舗での展開や、コンセプトストア、ポップアップストアを相次ぎ立上げることで注目度を高めていく。

・戦略その3:満を持して、積極的な海外進出を行う。(右図)

海外へ出ていくことで、さらなる販路の拡大を図っていく。国による強いバックアップで、ブランドが益々育っていく。特にTOPブランドの海外進出は今後も広がっていくことが見込まれている。

次のページからは、各戦略についての詳細を共有していきます。

 

新興国産ブランドの戦略 その1:オンラインでヒットを起こす。

ヒットブランドの創業者の若年化により、さらに若者を理解している。

消費者に身近な世代が台頭し、彼らの気持ちを汲み取った商品開発やブランディングを行っております。

「80后」:1980~89年生まれの人。

「90后」:1990~99年生まれの人。

 

新興ブランド達はZ世代消費をデザインなどの見た目で食い付かせ、デザインに隠された意味で虜にさせている。

・若年層は見た目をより重視している。(左図)

「オシャレだから」という理由でブランドを選ぶ消費者の中でも、1990年前に生まれた消費者と比較して、1990年以降生まれの消費者の割合が約3倍になっています。

・Perfect Dairy:アイシャドウ(中央図)

国家地理シリーズ(「国の美を瞼に乗せる」といったコンセプトで、中国をモチーフにしたシリーズ)や、動物シリーズ(自然界の霊獣達のようなアイメイクを仕上げるといったコンセプトのシリーズ)などを打ち出している。

・花西子:アイシャドウ(右図)

「外見も内面も整えながら、使用感も抜群」を軸に置き、中国伝統彫刻師の杜菊芳と手を組んで東方彫刻芸術の美を存分に表現している。

 

新興ブランドは他業界で流行しているIPとコラボレーション作品を出す傾向が顕著である。

・2018~20年において、業界を超えたコラボレーション作品は益々増えてきております。(左図)

・特に新興ブランド商品の年間平均成長率は、化粧品全体と比較しても約3倍となっております。(中央図)

・コラボレーションの手段としては流行りのアニメや食品との協業を行っております。また、人気ドラマとのコラボレーション企画では1週間で2,000万元という、国産ブランドにおいての記録的な数字を叩き出しました。(右図)

 

新興ブランドはSNSでコンテンツを絶えず投稿することで若者のスキマ時間を占領し、常に接触を図っている。

・PWUはコンテンツ配信を通して、若者達に香りについての全てを教え込んでいます。

PWUは2019年に本格的にスタートし、ボディケア商品から「留香球(フレグランス製品)」、ヘアマスクまでを展開しております。現代の若者達が忙しい日常生活を送る中で、香りを通じて心身ともに癒すライフスタイルを実現するかを、SNSを駆使し消費者に発信し続けています。

 

Tmallは新興ブランド達を大きくバックアップしている。

2020年のW11では、16つの新進ブランドの売上が億元を突破し、他にも360個の新進ブランドがその所属の細分化市場(Tmall PF内))で売上ランキング1位に輝きました。

BIOHYALUX(潤百顔):「Tmall小黒盒」が商品のポジションニングから店舗運営戦略、プロモーション戦略まで手掛けており、新商品においては発売直後から6万件を超す販売実績を打ち立てました。

ROAMAN(罗曼):「TmallC2Mプロジェクト」に参加し、アリババが共有するビックデータを基に電動歯ブラシカテゴリにおいて首位に上りました。

その他にも、SOOCAS(素士)はKOLとタイアップを行ったり、UsmileはTmallとコラボ限定商品を打ち出すなど、いずれも素晴らしい販売実績を作り出しました。

 

新興中国国産ブランドの戦略 その2:オフラインでシェアを奪い合う。

Tmall旗艦店の影響力の下で、オンラインからオフラインへと販売チャンネルを広げている。

新興コスメブランドは集合店舗に商品を展開し、ブランド専売コーナーを設けています。消費者に実店舗で直接ブランド(商品)と触れ合うことを促し、実際にメイクをするなどの取り組みを行なっています。

 

新興中国国産ブランドの戦略その3:満を持して、積極的な海外進出を行う。

広州は中国産コスメティックブランド成長の肥沃な土壌である。

調査によると新興ブランドの所在地ランキングにおいて、広州がトップであることがわかりました。(左図)

また、広州のブランドでTmallへの出店状況を分析した結果、その内75%以上がコスメティック・スキンケア・ボディケア・ヘアケア関連のブランドであることがわかりました。つまり、広州は中国国産コスメティックブランドのサプライチェーン基地となっていることがわかります。(中図)

広州の新興コスメブランドランキング。(右図)

 

新興コスメブランドは越境プラットフォームを介して次々と海外へ進出している。

・海外進出しているブランド例(左図)

・海外進出しているコスメティック商材で最も多い品目トップ3:グロス、アイシャドウ、チーク紅。また、マスカラやファンデーションもこれらの商材に追い付いてきております。(中央図)

・中国産ブランドの海外進出をバックアップするプラットフォーム(一部例)(右図)

※中国税関総局の統計データによると、2020年Q1~3は中国化粧品の輸出量が75.25万トン、輸出金額が31.39億USDに達しており、前年比で13.2%伸びました。

 

新興コスメブランドの輸出先は、東南アジアや日本がメインである。

 

トップランクの新興コスメブランドは、海外進出における切り札を駆使し展開してきている。

「Perfect Dairy」は海外ブランドを買収し始めており、様々な方法を駆使して進出を計っております。(左図)

「花西子」は日本へ上陸し、Amazonで「東方コスメティック」と旗を掲げて派手に販売を開始しました。その結果、発売当日にグロスの売上ランキングのTOP3に入りました。さらには日本以外の国への進出準備も着々と進めていると言われております。(右図)

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事は以前の記事などとも合わせて読むことで、より深い理解を得ることができますのでご参照下さい。

 

2021年「顔面偏差値経済」新消費トレンド報告書

https://www.polystar.yokohama/inform/20210424/

 

Z世代を始めとした若い世代は企業の新しい施策に敏感であり、消費体験を楽しんだ後にはその情報を共有・拡散していきます。中国では消費者の嗜好に加え、様々なIT企業が出てきていることから、情報の収集・拡散手段の移り替わりも激しい特徴を持っております。日本ではまだ浸透していない手段でも、中国では既にメインストリームとなっているものも多々ございます。

こうした消費者の意向や習性を理解し、適切な情報収集や拡散ルートに訴求していく為には、現地での施策に詳しい中国進出のプロにサポートしてもらうことが必要不可欠になります。その際には弊社のような中国進出のプロに是非とも一度ご相談下さい。

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