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2022.08.30

中国ペット産業レポート

 

現在中国では、急速にペット産業が発展しています。中国都市部のペット市場規模は、2021年に3,000億元(約6兆円)を超えており、今後も拡大していく事が予想されています。本記事では、今注目の中国ペット産業を取り上げ、急速に発展した理由や、ペット産業で一番成熟している「ペットフード」市場についての業界レポートをお届けします。本記事が、ペット産業に携わる日本企業様の一助となる情報であれば幸いです。

 

参考レポート:

・青山資本 「2021年消費レポート(以下、青山資本レポート)」

・艾媒咨詢(iiMedia Research)データ(以下データ)

・「2021年中国ペット消費動向白書」(以下消費動向白書)

・「2021年ペット産業白書」(以下ペット産業白書)

・「2020年中国ペット消費市場分析レポート」(以下市場分析レポート)

 

 

中国で「ペット産業ブーム」、促進された要因とは

中国のペットブームを促進した理由は複数あります。まず単身者人口の拡大です。「青山資本レポート」によると、中国の一人暮らし人口は2021年に9,200万人に達しています。また、独身の割合も増加しており、1999年時点では全体の6.3%だったものが2020年には25.3%と上昇しています。独身者・一人暮らしの人々は寄り添ってくれる家族や友達としてペットを飼う事が多く、また彼らは、時間や労力・お金のかかる対人関係と比較し、出費の少ないペットを選択している側面があります。

 

 

一人暮らし人口が拡大した要因の一つに、中国国民の収入が増加した事が挙げられます。データによると、中国国民の可処分所得は年々増加しており、2019年には3万元(約60万円)超、2021年には35,128元(約70万円)に達しています。所得が増加した事で、ペットを飼う事の多い一人暮らし人口が増えました。また、生活の質を向上させるための消費や、精神的な満足を得る為の消費により多くのお金を使えるようになった事で、ペットへお金を掛ける様になっていきます。

 

 

若者達の間でペットへの考え方が変化しています。かつては「住宅と車を持つこと」が理想の生活でしたが、90年後生まれの若者たちの間では「犬や猫を飼うこと」が理想となってきています。

 

上記で述べたような社会構造の変化やライフスタイルの変化、価値観の変化に加え、コロナ禍による巣ごもり生活など、人と距離を取らなければならない特殊な状況が相まってペット産業が促進されたと考えられます。

 

 

中国のペット飼育状況

・中国消費者の半数以上がペットを飼育、又は飼育経験があると回答

データ(※)によると、2021年上半期時点で、中国消費者の70%がペットを飼ったことがある、または現在飼っている人々です。また、4.8%の人々は、雲養寵(エアペット)を楽しんでいます。エアペットとは、ペットが好きなものの自分では飼えない人が、ネット上で他人のペットの画像や動画を視聴する事で満たされる行為の事です。

 

※艾媒咨詢(iiMedia Research)「2021年上半期中国ペット経済産業発展状況及び市場調査報告書」より

 

 

・最も飼われているペットは犬と猫

消費動向白書によると、中国で飼われているペットのほとんどが犬と猫です。飼い主の内の70%は犬を飼っており、56%が猫を飼っているとのことです。(※)特に猫の飼い主の数は2018年以降増加傾向にあり、猫人気が高まっています。

 

※犬と猫どちらも飼っている場合は重複して集計しています

 

 

・猫の飼育数

2021年ペット産業白書によると、中国都市部における猫の飼育数は、2018年の43.1%から59.5%へと増加しています。猫の飼育数は年々上昇しており、今後猫の飼育数は犬の飼育数を上回ると言われています。また、ペットが好きな90年後生まれの若者達にとって猫は、犬程飼育スペースや散歩などの手間を必要としない為、時間が無く忙しく生きる中国の若者たちのニーズに合っていると考えられます。

 

 

・ペットを飼う目的

消費動向白書によると、約9割がペットを飼う目的として楽しみを増やす、ストレス解消、孤独を和らげる等の「生活における幸福度向上」の為にペットを飼っています。現在ペットは、より密接な関係を持つ家族や友達の様な存在となっており、これまでの様にペットの位置づけを「番犬」として扱っている飼い主は全体の3割未満です。

 

 

・ペットフードへの意識の変化

上述でも触れた通り、以前までのペットの役割は「番犬」が中心でした。その為、「ペットフード」という概念や認識が消費者の中で形成されるまでは、食事も飼い主の残飯などで済まされることが一般的でした。「番犬」から、寄り添ってくれる存在「コンパニオンアニマル」へ役割が移行した事で、食事もより考えられたペットフードへと変化し、また飼育方法なども見直されています。

 

 

ペット産業の発展「ペットフード市場の動向」

家庭でのペットの地位が高まるにつれ、飼い主はよりペットへお金と愛情を掛ける様になりました。ペット産業白書によると、2021年ペット関連市場シェアはペットフードが51.5%、次いでペット医療が29.2%となっており、おおよそ半分以上の市場シェアをペットフードが占めています。ペットフードは、中国国内のペット市場において、比較的成熟しており、揺るがない大きな需要を持っている分野と言えます。

 

 

・ペットフード市場のカテゴリ分類

2020年の市場分析レポートによると、ペットフード市場は「残飯」「主食」「おやつ・健康食品」「サービス」の4段階を経て発展していくとのことです。現在中国国内のペットフード市場は最初の3段階に到達した状態で、市場には「主食」「おやつ」「健康食品」の商品分類カテゴリが存在します。

 

 

・ペットフードにおける今の飼い主たちの需要動向

飼い主たちは、品質、価格、安全性を重視しフードを選ぶ傾向にあります。消費動向白書によると、飼い主の90%が栄養素や効能等の要素を気にしてフードを購入しています。また、70%の飼い主は、ペットの体質や性格に合わせたフードを購入しています。最も関心の高いフードの要素は、免疫力の強化や胃腸の調整、健康効能です。

 

 

・おやつに関する需要動向

おやつは主食よりも頻繁に購入されています。消費動向白書によると、飼い主の35%が月に2~3回おやつを購入しており、この購入頻度は主食よりも27%多いです。

 

 

ペット産業の今後の発展の見込み

・ペット経済は急速に発展している

2019年以降から、ペット用品分野に資本が続々参入しており、2022年にペット市場は急速な成長期を迎えました。「2021年中国ペット掲載産業調査報告書」によると、2020年に国内のペット経済市場は2,953億元(約5兆8,000億円)に達し、前年比33.5%の成長率を達成しました。

 

・融資案件も活発化

ペット業界の不完全統計(※)によると2019年の国内ペット産業関連の融資総額は42億元(約800億円)超、2020年は61億元(約1,200億円)超と、急速に成長しています。また、2021年の国内ペット業界の融資案件は58件と、昨年よりも19件増加しています。

 

※不完全統計…暫定的な統計

 

・「ペットフード」カテゴリは投資家たちからも人気

中国には「民は食を以て天と為す(※)」という言葉がありますが、ペットも例外ではありません。投資家に最も人気があるのはペットフード分野です。ペット産業統計によると、2021年ペットフード分野は合計17回の融資を受けています。続くのはペット用品部門、ペット医療部門となっています。今後もペットフード分野は人気が高まっていくでしょう。

 

※民は食を以て天と為す…民にとって大事なのは食べる事 という意味

 

 

まとめ

中国のペットは「番犬」から、寄り添ってくれる「家族」や「友達」としての位置づけへと変化していきました。また、国民の収入額の増加、ライフスタイルの変化、コロナ禍などが影響し、ペットを飼う人々が増加、それに伴い関連産業が発展し続けています。特にペットフード分野は投資家からも注目されており、今後更に成長していくでしょう。

 

しかし、未だペットフード以外のカテゴリは発展途上です。今後は、ペットにまつわるサービスや考え方、フード以外のペット用品や家電、医療なども更に発展していくでしょう。

 

この度の記事が、日本企業様の一助となる情報であれば幸いです。

 

 

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