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2021.06.09

中国のお菓子市場分析レポート(後編)

今回の記事では、中国での最新お菓子市場の動向の後半をお届け致します。

 

後半では、2020年のお菓子市場についての考察を行っていきます。

コロナウィルスの影響もあり、お菓子の需要や販路、国民の消費意識に変化が訪れています。そんな時代の渦中でも実績を伸ばしているお菓子の分野やブランドがあります。本記事ではそれらをピックアップし、どのようなマーケティングで成功を収めたのかを分析します。

コロナ禍におけるマーケティングに興味のある企業様、最新の情報を知りたい企業様にとって、必見の内容となっております。是非前回のレポートと合わせてご覧ください。

 

※前回のレポートは下記リンク先よりご閲覧いただけます。

中国お菓子市場 分析報告書(前半)

 

2020年に高成長したお菓子カテゴリーとブランドのご紹介

コロナ禍ではどんなお菓子が売れていたのか、3つのカテゴリーに分けて分析しました。それぞれのお菓子市場における有名ブランドも一緒にご紹介していきます。

 

お菓子市場における高成長カテゴリーの分析

2020年のコロナ禍におけるお菓子業界では、様々なカテゴリーが飛躍的に成長しました。卤味素食(※)は前年同期比260%超となりました。また、低温乳製品もコールドチェーンの改善や消費者の健康志向の高まりにより、売上が前年同期比140%を超えました。「貴重な天然成分が含まれている」「美容効果がある」と人気の「榧の実」の売上も同様に、前年比140%を超える結果となりました。

※卤味(ルーウェイ)素食・・・肉類を除いた野菜などを醤油漬けにしたおつまみ系のお菓子

 

【卤味素食】

お菓子市場における高成長カテゴリー”味素食”の規模分析

卤味素食カテゴリーには、枝豆・木耳・昆布などの植物性の食材、素牛排(野菜ステーキ)や湯葉などの豆系製品、味玉等の卵製品など、様々な種類の商品が含まれています。豊富な種類・様々な味・すぐに食べられる便利さで多くの消費者に支持されており、2020年に物流網の整備が整ったことや中国の人気ブランド周黑鸭(ツォヘイヤー)が参入した事もあり、卤味素食の売上は各月で前年比100%を超えました。

 

お菓子市場における高成長カテゴリー”味素食”のブランド分析

2020年8月に周黑鸭は卤味素食の関連商品を増やし、多くのヒット商品を開発する事によって、現在では卤味素食におけるNO.1ブランドになりました。卤味素食市場は高い成長率から注目を集めており、多くの企業が前年比10倍以上の売上を得ています。しかし参入者が多く競争率が高いため、TOPブランドの商品を営む店舗は40社程と少なくなっております。

 

お菓子市場における高成長カテゴリー”味素食”の単品分析

卤味素食市場では、周黑鸭と湘嘴巴がヒット商品を開発した事で有名です。2020年に周黑鸭の锁鲜卤味素食と湘嘴巴の手撕素肉の売上は共に1,000万元を超え、単店ランキングTOP10の中で他のブランドに大きく差を付けて各々1位と2位にランクインしました。また、火青春・良品铺子・鸿毅といったブランドも、単品ランキングTOP10に入りました。

 

【低温乳製品】

お菓子市場における高成長カテゴリー”低温乳製品”の規模分析

中国の全体的な消費水準の向上とコールドチェーンの改善に伴い、低温乳製品は多くの乳製品消費者の人気を集めました。その結果、低温乳製品の2020年T-mall全体での売上は6.9億元に達しました。常温乳製品市場と比較するとまだ大きな市場規模格差がありますが、低温乳製品市場は急速に拡大しています。大型セールイベントの影響もあり、2年連続で6月と11月に大きく業績を伸ばしました。

 

お菓子市場における高成長カテゴリー”低温乳製品”のブランド分析

現在の低温乳製品市場では、2つのブランドが拮抗しています。2020年の光明随心订と简爱の売上は各々市場の15.7%、14.8%を占めており、2強が市場を支配している状況となっています。また、低温乳製品の急速な普及により他の乳製品ブランドの自社の売上の低温乳製品比率が10%を超えました。市場規模が急速に拡大し、TOP10ブランドの天润の売上は前年比50%を超える結果を残しております。

 

お菓子市場における高成長カテゴリー”低温乳製品”の単品分析

低温乳製品市場において、简爱と光明随心订はヒット商品を開発した事で有名です。简爱辅食酸奶と光明随心订は共に2020年の売上が3,000万元を超え、他ブランドに差をつけました。低温乳製品は健康食品としても注目されており、特に無糖・無脂肪・無添加と表記されているものが人気商品となっております。

 

【鶏肉スナック】

お菓子市場における高成長カテゴリー”鶏肉スナック”の規模分析

鶏肉スナック(※)の商品には、主にローストチキン・様々な味付けを施した鶏の足・手羽先唐揚げ・ソーセージなどの製品が挙げられます。中国は鶏肉の生産・消費大国として生産供給が安定して行われており、2020年の2月にはコロナウィルスの影響による物流制限で売り上げが一時減少しましたが、鶏肉市場は右肩上がりに拡大しています。

※鶏肉スナック・・・煮る・揚げるなどの調理加工を施した鶏肉のおやつ

 

お菓子市場における高成長カテゴリー”鶏肉スナック”のブランド分析

ネット上にて人気を博しているブランドである王小卤(主力商品は快速脱骨鸡爪と无骨鸡爪)は、2020年には2億4,000万元の売上を達成し、2位の无穷に6,000万元以上の差をつけました。また、売上成長率は前年比136.6%増となっています。鶏肉スナックは成熟市場で流通システムが確立しているため、多くの人気ブランドが様々な店舗で商品を販売しています。

 

お菓子市場における高成長カテゴリー”鶏肉スナック”の単品分析

王小卤と甄味尚の2商品が特出しています。2020年王売上は7,000万元以上と、他のTOP10の商品に対して差をつけています。王小卤は他の商品でも3位と4位にランクインしています。また、百草味や良品铺子といった多くのブランドも、ランキングのTOP10入りを果たしています。

 

2つのブランドとマーケティング戦略について

次のセクションでは、様々なお菓子ブランドの中でも特に高成長を遂げたブランド「田园主义」と「郝小子」を取り上げ各社のマーケティング戦略について分析していきます。

お菓子市場における高成長ブランド分析

2020年のコロナ禍では数々のブランドが登場しました。どのブランドもヒット商品を多数生み出し、飛躍的成長を遂げています。特に高成長を見せたブランドは田园主义と郝小子です。田园主义は、粗挽きパン・食事代替クッキーを開発し健康意識の高い消費者の需要に応えました。郝小子は、豚足や羊蝎子(※)といった珍しい食品を取扱い、ライブコマースにて販売することで多くの口コミと販売数を獲得しました。

※羊蝎子(ヤンシェズ)・・・羊の背骨周辺の肉を香辛料と煮込んだ料理

 

お菓子新興ブランド ”田园主义”の規模分析

田园主义はタオバオ(※1)の田园主义轻食家で販売を行っていましたが、2019年6月よりT-mall(※2)の田园主义旗舰店へ注力し始め、現在T-mallは田园主义にとってオンライン上での主戦場となりました。田园主义の売上は過去最高を更新し続け、11月のピーク時には2,596.3万元を売り上げました。田园主义の主力商品はペイストリーとスナックです。

(※1)タオバオ…中国のオンラインショッピングモール

(※2)T-mall…タオバオのスピンオフ事業として開始された中国のオンラインショッピングモール。認可を受けたブランドの商品のみが掲載される事から信用度の高いECサイトとされている。

 

お菓子新興ブランド ”田园主义”の単品分析

2020年に田园主义の売上が大きく伸びた理由として、主に3つの理由が考えられます。

①オンラインショッピングサイトの拠点をタオバオからT-mallへと移行したことが成功し、ブランド価値が向上した。

②等の売上が急増した。その中でも特に田园主义の主要商品が多く売れた。

③田园主义が生み出したヒット商品には「雑穀」「食事代替」「こんにゃく」といった流行のワードが、上手くコンセプトへ落とし込まれていた。

 

お菓子新興ブランド “郝小子”の規模分析

郝小子は、2019年12月からT-mallの郝小子旗艦店へ注力し始めました。2020年第4四半期に売上高が急増したのは、T-mall を含むEコマース部分を強化したことが主な要因と考えられます。また、李佳琪や林依轮などの有名配信者のライブコマース(ライブ配信)を通じて口コミを増やし、売上を伸ばしました。2020年第4四半期の各月の売上は2,800万元を超え、11月には5,700万元と売上高のピークを迎えました。郝小子の主力商品は豚肉製品です。

 

お菓子新興ブランド “郝小子”の単品分析

上述でも触れたように、郝小子はライブコマースによって商品への支持を多く集めました。ライブコマースは商品の知名度を上げ、有名配信者による試食シーンは味の特徴をより鮮明に伝えることができます。また、中国の人々の食に対する好みは多元化されつつあり、その為郝小子のような新興ブランドの商品も消費者の支持を得ることが可能になっております。

 

まとめ

コロナ禍におけるお菓子業界

・2020年、世界経済はコロナウィルスの影響を受けて深刻な不況に陥っていました。
・消費者が輸入ブランドに対して警戒心を覚える様に変化したことから輸出入が制限されました。しかしその間、外国からの輸入に頼るだけでない新たな発展の道を模索し始めました。特に国産のお菓子に関しては、国内での生産サイクルに改めて目を向け始めるなど、発展の余地が広がってきています。こうした流れから、現在中国国民は国産のお菓子に信頼を寄せるようになり、自国の商品に誇りを持つようになってきております。

・コロナ禍では巣ごもり需要により“長期保存が可能”“手軽に素早く食べられる”“様々な味付け”であるお菓子が消費者に求められるようになりました。主には ペイストリー・スナック、 ビーフジャーキー・ポークジャーキー・卤味、蜜漬け・ナツメ・プラム・ドライフルーツ・フリーズドライ の3カテゴリーです。

 

お菓子ブランドの動向

・2020年のコロナ禍においても中国のお菓子需給は安定していましたが、各ブランドも積極的に様々なECサイトやオフラインへ販路を拡大し、幅広い商品種類と多様なパッケージ形式で商品ラインを充実させました。

・三只松鼠は、主にインターネットEC戦略を打ち出してきていたブランドですが、積極的にオフライン店舗を展開していきました。新たなブランドとして小鹿蓝蓝・铁功基・养了个毛孩・喜小雀なども生み出し、それぞれの事業を軌道に乗せて拡大させていきます。

・良品铺子は商品のラインナップを増やし主力製品の拡大を狙った結果、2つのヒット商品を開発する事に成功しました。お菓子市場のトップブランドとして地位を固め、同時にサブブランド「良品飞扬」を設立し、食事代替食品で健康食品市場をさらに開拓しました。

・百草味は、ビーフジャーキー・ポークジャーキー・卤味の市場を攻める為に多くの商品を開発しました。さらにバラエティー番組「人间百味铺」とタイアップしたプロモーションを行い、ブランドイメージを向上させました。

 

お菓子市場のこれから

・コロナウィルスの影響で、消費者の消費構造や認識が根本的に変化しています。依然としてコロナウィルス対策により大規模な抑制のある生活が続いています。社会活動が制限されることにより、食事や料理が生活の中の大きな楽しみとなり、主に自炊に使う食材の消費割合が高まっていくと予想されます。 一方で、消費者の中には自炊を行わない人もいる為、一人暮らし用や調理済みの食品の需要も高まっていくと考えられます。また、こういった食事に対する楽しみが増す中で、空腹を満たすだけではなく、美味しくて便利な食品も求められるようになっていくことでしょう。

・多くの人々が自らの消費習慣を省み始めています。無糖・無脂肪・無添加といったキーワードは、多くの消費者の共感を得ており、今後は無糖飲料、各種栄養製品などの健康食品市場が拡大する事が予想されます。

・また消費者は省エネパッケージや環境保護への関心を高めており、多くの人々が軽くて分解可能なパッケージ及び関連製品を選択するようになっています。サステナブルなパッケージの製品は今後より消費者に求められ、企業や商品の評価にも直結していくことが予想されます。

・食品業界全体が大きな変革を迎えている今、更に洗練された事業を推進していく必要があります。食品業界のTOPブランドが持つサブブランドは市場の潜在的なニーズやポジションを見極めて捉えることが重要であり、消費者のニッチなニーズに応えながら成長していくことが求められるでしょう。

 

最後に

今回は昨年のお菓子市場の動向についてレポートしました。

コロナ渦においても好調に売上を伸ばしているお菓子業界やブランドを取り上げ分析した結果、多くの企業がオンラインを要とした経営戦略で成功を収めていることが分かりました。また流行中の食品コンセプトを、商品名やプロモーションへ巧みに取り入れる事で、大きなシェアを獲得するに至っています。

 

流行やコロナウィルスが与える生活様式への影響など、様々な因子により市場の動きは日々変化していく為、最新の情報をキャッチし経営戦略を練っていく事が海外ビジネスにおいては必要不可欠です。

株式会社ポリスターでは現地スタッフが常駐しているため、中国本土の最新情報を収集する事に長けています。精度の高い市場調査を基にお客様に最適な戦略をご提案致します。

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