今年も中国EC最大級のセールイベント「W11」が開催されています。昨年は、プロモーションの度合いが抑えられていたにも関わらず、過去最高のGMV(流通取引総額)を記録する結果となっていました。今年はどのような結果となるのでしょうか。本記事では、今年の11の見所や注目トピックをまとめてご紹介します。

 

 

W11とは？

「W11(ダブルイレブン)」とは、毎年11月11日に開催される中国最大のECセールイベントです。1が4つ並ぶ日であることから「光棍節(独身の日)」と呼ばれており、もともとは大学生たちが考えた、独身者たちが集まってパーティーを開き、プレゼント交換、結婚相手探し等を行うイベントデーでした。そこに中国大手ECプラットフォームである「アリババ」が着目し、”デートが出来ない独身者はネットショッピングを楽しもう”と呼びかけたイベントが、現在のW11となっています。

 

 

昨年の様子

2021年のW11は13回目の開催となりました。TmallプラットフォームにおけるGMVは5,403億元(日本円で約10兆9,023億円)となり、過去最高の記録を達成しました。しかし、例年のW11と比べ、リアルタイムで売上実績を公表しない等、消費を煽るような演出は控えられ、ブランド達もこれまでの過剰なライブコマースを避けるなど変化が現れた年でもありました。

 

▶昨年のW11についてより詳しく知りたい方はこちら

2021年のW11を振り返る | 商戦のポイントは？

 

 

今年のW11 先行予約販売動向

・Tmall

今年のTmall W11の先行販売は、昨年度より期間が2、3日短縮され10月24日20時からの開始となりました。先行販売の期間は短くなったものの、今年のTmall W11はショップ全体で300元ごとに50元oFFと、ここ数年で最大の割引キャンペーンを行うようです。

 

・京東（ジンドン）

京東の先行販売期間は、10月20日から11月3日までとなりました。Tmallと比較し4日程早く行われていたようです。また、販売店舗は9月30日から10月30日の間に先行販売とプロモーションの申請を行いました。

 

 

今年注目されているブランドは？

・オフラインの人気ブランドが「Tmall W11」に初参加し話題に

オフラインで人気を集める「％Arabica（アラビカコーヒー）」や人気スイーツ店「などのブランドが、Tmall W11に初参加するとの予告で注目を集めました。「鲍师傅」のEコマース担当者は、Tmallにおける食品の新ブランドへの需要は今年も増え続けていると語っており、今年4月頃Tmallに登録、初のW11を迎える事と成りました。

 

W11 物流におけるトピック

アリババグループのスマート物流会社「菜鳥(ツァイニャオ)」は、スピード配達の拡大を発表しました。Tmall W11の先行販売時期のスピード配達を推進し、300市以上をカバーする事で、出荷量は昨年のW11より50%増加する見込みとされています。

 

・Tmall W11の返品送料が無料に

Tmallアプリでの注文に対する返品送料が無料となりました。消費者は、Tmallアプリの運賃保険の範囲内で返品が無料となり今年のセール期間からしばらくの間利用可能です。

 

 

抖音(Douyin)プラットフォームの動向

中国版Tiktok「抖音(Douyin)」の大人気インフルエンサー2名がTaobao Liveに登場する事で話題を集めています。1名は、知識ライブコマースで話題を集めた新東方の創業者「俞敏洪（Yu Minhong）」、もう1名は企業家で元抖音のトップインフルエンサー「羅永浩（Luo Yonghao）」です。抖音の大人気インフルエンサーである2名がTaobaoと手を組んだことで、taobaoプラットフォームの動向に注目が集まっています。

 

 

まとめ

今年も中国EC最大級のセールイベントW11が始まりました。例年と変わらず、プラットフォーム側は、物流や割引キャンペーンなど、本イベントの為に工夫を凝らしていることが分かります。また、Taobaoが抖音のトップライバーと提携するなど、さらなるイベントの盛り上がりにも期待が高まります。ポリスターでは、引き続きW11の動向を追い、中国市場の今をお届けしていきます。

 

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